言いたいことがある

好きなことについて語りたいだけです。

ひとりずもう

 

私の住んでいる家の近くにツタヤがあるのでよくDVDやマンガをレンタルしに行く。

スパイファミリー4巻までを借りれたらよかったのだが、彼が「10冊借りた方がお得だよ」と言うのでそうすることにした。彼が借りたいものを選んだら4冊しかなかったというので、たまたま目についたさくらももこさんの「ひとりずもう」の上下が2冊だしちょうどよかったので借りた。

 

ちびまる子ちゃんは昔から読んでた作品だし目新しい感じではないだろう(失礼)と思ってたんだけど、全部読んでみたらひとりずもうが1番心に残った作品だった。

さくらももこさんのエッセイで小学生〜高校卒業までを描いてたんだけど、ま〜〜考え方やライフスタイルが超好き。というか憧れる。

 

私は元来むちゃくちゃ怠け者で嫌いな勉強もせず休みの日はずっと携帯をいじってるんだけど、主人公も基本長期休みは何もせず昼寝をしたりテレビを見たり漫画を読んだりとグータラしている。わたしはゴロゴロをずっとしてると誰とも遊ぶ人がいない一人ぼっちのわたし…とか考えてたんだけど(かと言って遊ぶのはめんどくさい天邪鬼)主人公は遊びの誘いもめんどくさいからと平気で断るし、ずっとヒマがいい、風鈴の音とか形かわいい…とか考えてのんびり過ごしてる。なにそれすっごい自分のペースで生きてんじゃん素敵じゃん?!

自分の好きなこと(たまちゃんと遊ぶ、散歩をする、植物や生き物を愛でる)だけにスポットを当てて生きてるの。かと言って人付き合いがないかというわけでもなく、学校ではのらりくらりと友人と話してるし、いろいろ誘われたりもしてる。学校といえば主人公の高校のクラスものんきで最高なんだよな〜!合唱コンクールも体育祭も球技大会もビリだけど、「ビリだったね〜」って笑ってんの。そこに熱をかける人がいないの。わたしの理想のクラス過ぎてさ…一致団結とかも素晴らしいけど、それよりも肩の力抜いてビリだったねってのほほんと笑い合える方が素敵じゃない?まぁわたしがそういった行事が好きじゃないってのもあるんだけど。ていうか嫌いだったからそういう空気感が羨ましいなって思うんだけど。なんか昔からそういう団体の空気が苦手で冷めてたんだよなー。

んで主人公の担任がそういう空気のクラスに怒るんだけど、みんな早く終わればいいと思ってるし担任が出ていっても追いかけるわけでもなくいつも通りなの。ねえ最高すぎる!わたしもそんなクラスがよかったな。

 

あと主人公は物理部に入るんだけど(楽そうって理由で)夏休み部活あること知らずにサボるのね。そしたら夏休み明け部活行ったら文化祭の準備ひとつも手伝ってないからめちゃくちゃ周りが冷たいのよ。わたしはサボる割にそこらへんのメンタル強くないから絶対空気感に死ぬんだけど、主人公はこんくらいの気まずさと比べたら夏休みサボってる方がいいわ!って開き直るのね。その考え超いいじゃん!好き!!

しかも文化祭も3日間あるんだけどやることねえし帰ろって帰ってテレビ見るの!!あーーわたしもそのくらいの勇気ほしかった!なんかこう周りの目を気にせずさ、自分が文化祭苦手だから帰るって自分の気持ちのまま行動してるのいいよな。人に迷惑かける行為はダメだとは思うけど、主人公は特に役割がなかったから役割をほっぽったわけでもない。主人公のいい意味での自分がいてもいなくてもって考えを持ってるところが好き。例えば部活でもわたしだったらあーーサボっちゃったみんな頑張ってるなか私だけやってないどうしようって思うとおもう。ただ主人公はま、別に私がいてもいなくても変わんなくね?誰にも影響ないでしょって考えてる気がする(知らんけど)。人の目って気にしてもしゃーないのよ。じゃあ部活サボったから誰に影響あるんですか?と思うしね。まぁ場合によりけりだとは思うけど。私そこらへんの正義感強い人苦手で、あなたに迷惑かけてないんだからサボってもいいじゃんなんでそんな目で見てくるの?って思う。いるよね、自分は頑張ってるのにずるいって言うやつ。知らねえよ。

しかも文化祭もなんか3日目にトラブルがあってお通夜状態の中こっそり入って気まず〜ってなるんだけど、帰り道にあのくらいの気まずさだったら3日間文化祭休んでテレビ見れたりして得だったよ!って言うの!どこまでのんきなの!!そののんきさほしい!!笑

 

話変わって主人公は散歩が趣味なんだけど、その散歩もすっごく楽しそうで読んでてワクワクするの。美容院も行ったことない道を歩いて可愛いからそこに入ったり、美容院のあとも海を見て帰ろうって寄り道してみたり。こう今の現代って時間に縛られてるじゃないですか。社会人なんか特にね。でもそこを気にせずのんびり生きるのってすっごく贅沢なことだよなーと。しかもそのエピソード素敵なのが、同級生の子がデート帰り?って話しかけてきて違うよ美容院帰り、海でも見て帰ろうかなってと言ったらわたし海が見えるカフェ知ってるよ行かない?っていう流れでカフェに行くの。超良くない?!?!しかも主人公はその人のこと加藤さんって言ってるの。だからクラスメイトだけどものすごく親密でもないはず。でもそのくらいの関係性でも利害関係抜きにして(苦手とか好きとか)誘えるのってすごいフラットでいいなぁと思って。私はそのくらいの関係のクラスメイトだったらまず向こうから話しかけてもらえない。でも主人公ってそこらへんが誰にも壁を作ってないというか。人に対して恐怖心を持ってないというかみんなと仲良くしたいイェーイ⭐︎ってタイプでは全然ないんだけど、いい意味で構えてない。好きも嫌いもなさそうだから、向こうも気兼ねなくそのくらいの関係性でも誘えるのかなと思ったり。とにかく好きなシーン!

 

でさ、いろいろあって漫画家を目指すわけなんだけど、ただただここに関しては尊敬。やりたいことがあって、それを頑張れるって、なかなかできることじゃない。私はいま25歳だけど、何もしたいこともなくのらりくらりとここまできてしまった。あと会社がものすごくつまらん。生きてるのあんまり楽しくない。そういう生活をしてるからやりたいことがあるって本当に羨ましいんだよな。

あと親友のたまちゃんとのシーンもめちゃくちゃ泣けた。あんなにお互いがお互いを思い合ってて平和に好きなことをしあえる友人がいるって一生の財産だよなぁ。って涙しました。

 

 

とにかく考え方とかが素敵だった…。

私と根本は似てるんだけど、私はその自分の根っこを表に出せなくて。元来怠け者っていいか悪いかで言ったら悪いじゃない。協調性もなくて1人が好きなくせに周りの目をやたら気にするから生きにくい。私は自分の感性とか考え方とかけっこう好きで大事にしてるんだけど、それがいわゆるどっちかというとマジョリティだからあんまり表に出せないし表面上はいい子ぶってしまう。本来の自分を何も気にせず出せたら自分の情けないとこやだらしないとこも好きになれそうなんだけどな。このひとりずもうって作品はそういった本来ならばあまり良しとされないところ?を包み隠さず曝け出してそんな自分を責めるわけでもなくて、まぁこれが自分だからさ。と受け入れている気がした。そこが私はできないからこんなにも憧れているんだと思う。

 

いい作品だった。